こんにちは、今日はロースクール時代に天敵のソクラテスメソッドと戦った話をしたいと思います。
私は学部時代からソクラテスメソッドが大の苦手でした。ゼミや当てられるタイプの授業は恐怖と戦いつつ毎回息をひそめるようにして受けていました。
ロースクールに入学してもそれは変わらず、90分間の授業中ずっと緊張しっぱなし、おまけに当てられても答えられない、答えるまで諦めない教授、どうしてもうまく言えない自分、集まる視線、焦る俺、早く鳴れ終了のベル!という怒涛の毎日(?)を送っており、ソクラテスメソッドの出来不出来にその日の精神状態が支配されていました。
私がソクラテスメソッドが嫌だった理由として考えられるのが
①自分の無能さを感じすぎてしまう性格である
②友達やクラスメイトはきちんと答えられているのに自分だけできないことで劣等感が生じる
③教授に申し訳ない
の3つです。
まず、①について予習を自分では100%しているつもりでも予想外の質問が来るとうまく答えられない、予想内でもうまく答えられない、どちらにせようまく答えられない状態がずっと続いていました。この状態が続き、自分は法律家に向いていないんじゃないか、これじゃあ法曹界どころか社会でもやっていけない、時間とお金を無駄にする無能、ダメなやつだと自己嫌悪のスパイラルを急降下していました。
しかし、自分を嫌おうが何だろうが明日もソクラテスメソッドはやってきます。
そこで対策として、予習として課せられた問題は貰ったらすぐに取り掛かり授業の前日や直前にもおさらいをした上でできれば周辺知識を入れていく方法をとりました。すぐに問題に取り組めば授業まで時間の猶予ができますし直前に知識を入れればソクラテスメソッドの質問と知識を結び付けて何とか答えられるようになると考えたためです。
また、マインドセットの問題も大いにあったと思います。不思議なことに、リモートの授業を受けるようになったところ、あんなに恐れていたソクラテスメソッドにそこまで苦手意識を抱かなくなりました。もちろん答えられない質問は依然としてあるし、頭が急によくなったわけでもありません。
しかし、自分の部屋という安心できる、周りに人がいない環境で授業を受けたところ前よりもずっと質問に答えられるようになったのです。おそらく、ネットで授業を受けることで前まで感じすぎていた周りの人に見られているという感覚や教授の圧が減り、冷静になることができたためだと思います。
現在ソクラテスメソッドに苦労されている方は頭が悪いのではなく、ソクラテスメソッドに慣れていなかったり感じやすい体質で冷静に対応できないだけという可能性もあるのでどうか自己嫌悪に陥らずにそういう性格だと割り切って生きてください。
また、②について私は①で述べたように周りの人の視線が気になるタイプであることが原因でした。自分が答えられなかった質問を友達がスラスラと答えるのをみて劣等感を抱き、自分は法律家に向いていないんじゃないか、これじゃあ法曹界どころかetc…とお決まりの自己嫌悪のスパイラルはまっていったのが良くなかったと思います。自分だけが質問につまずいているように感じてこのクラスで一番の落ちこぼれは自分だなと感じたことも多々ありました。
しかし、期末試験や中間試験はそこそこちゃんとした成績をとれていし、いろいろありましたが司法試験にも合格したので、自分が群を抜いてバカというわけではなかったと思います。
ロースクール生の中には先輩から受け継いだ秘伝のレジュメ的なものを使ってある程度授業の流れや質問を把握している人もいるようです。伝聞なので真偽のほどはわかりませんが授業の書き起こしが出回っているロースクールもあるそうな。
要領よく先輩から受け継いだ奥義で授業に難なく挑んでいる人が一定数いるかもしれないという可能性を知っておくと、気持ちが楽になると思います。気持ちが楽になれば変に構えず冷静に受け答えができ、苦手意識がだんだんと減ってくのではないでしょうか。
③についてはこんなことを思うのは自分だけかもしれませんが、授業を受け持ってくれる教授が好きな教授であればあるほどうまく答えたいという気持ちが強まり、それができないとひどく落ち込んでいました。
しかし、教授も学生が一生懸命に考えているかどうかは見ればわかると思うし、完璧をはなから求めていないと推察します。ない脳をこねくり回して一生懸命に答える自分の姿は情けないですが、それでも評価してくれる教授はたくさんいらっしゃいました。ありがたいことこの上ないです。
①から③を総合して言えることは、ソクラテスメソッドが大の苦手でも、ロースクール生活は何とかなるということです。
授業の平常点なんて試験に比べたら微々たるものだし、復習をきちんとして真面目に授業を受ければソクラテスメソッドが苦手でも割と大丈夫です。緊張しいの人は冷静に、周りと自分を比較しすぎず、真摯に授業に臨めばきっと結果はついてきます。自分も色々な人の助けを借りながらもきちんと成績を取って卒業できました。
どうか、諦めず腐らずロースクール生活に挑んでいただきたいと思います。

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