ロースクールを嫌いにならないで下さい!

ロースクールの話

初めに、私は結論から申し上げますとロースクールを出て本当に良かったと思っています。指導してくださった先生方への感謝はしてもしきれないほどですし、苦しい時を共にした同期、仲間、先輩は宝です。ロースクールで時間を過ごせて本当に幸せでした。

一方、一部の社会ではロースクールは残念ながら予備試験に合格できなかった人達が行く、格下の場所という認識があるようにも思えます。某予備校でもまずは予備試験、それがだめだったらロースクールを受験するという風潮があるのではないでしょうか。私の知り合いでも、ロースクールにいる時間をいかに自習、内職に充てるかに情熱を注いでいる方もいらっしゃいます。

なので今回は、ロースクールはなぜこんな風に思われているのか?ということについて考えたことの話をしようと思います。あくまで個人の感想なので、参考程度に読んでもらえれば幸いです。

理由1 お金と時間がかかる!

これは個人的にロースクールの一番のデメリットだと思います。奨学金や学費免除等を得られない限り、2年、3年間勉強するためのお金と時間がかかります。大学の同期や友達は皆働き始め、社会人として立派に生活をしているのに自分は何をしているんだろうかという焦りがでてくるし、お金をかけて勉強の成果が出るかもわからず…という不安と戦いながら勉強を続けるのは本当に大変だと思います。

その点予備試験は合格してしまえば司法試験が受けられますし、学費も要りません。コスパが非常によく、優秀な人しか受からない最強の試験なので、学生が予備試験に向けて勉強することは決して間違っていないと思います。そして、予備試験に合格できなかった場合にロースクールを出て司法試験を受験するという流れが一定数あるので、ロースクール=予備試験惨敗組という認識が生まれてきてしまうのかもしれません。
しかし、二つとも司法試験の受験資格、つまり司法試験を受けるための手段であることに変わりはありません。手段に格上も格下もないのでは、と思います。

ここで、ロースクール受験を考えている人に向けてお金について安心材料として自分の受験の話をします。私は東京にある二つのロースクールの全額免除を受けることができましたが、別に勉強ができたわけではありません。TOEICの点数くらいしか心当たりがないので、法律科目がものすごくできなくても半額、全額免除を受けることはそこまでハードではないのではないかと推測します。(追記:学費免除についての話はこちら)

また、時間については逆に2,3年間勉強をできることはラッキーだとも思えます。学歴はあって邪魔にはなりませんし、将来国際的に仕事をしたいとお考えの方は特にJuris Doctorの○○ですと自己紹介すると、日本の予備試験が何か知らない人でも「こいつは法務博士資格を持っているのか」と分かり易いのかなと思ったりもします。

理由2:余計?な勉強をしなくてはならない

ロースクールのカリキュラム的に仕方ありませんが、ロースクールを修了するためには司法試験に必須の法律科目以外の科目も履修しなくてはなりません。本当だったら7科目と選択科目以外の勉強はしたくないのに他の科目をやらなくてはいけないことをストレスに感じるかもしれません。

しかし、私は『余計』に思える必修科目以外の科目もとても楽しかったし、これらの時間が自分の人生を変えたといっても過言ではないと思います。
ロースクールでは、法律の世界の超えらい人とお話がし放題です。各分野で著名な先生方、大手事務所から客室教授として招かれている実務家の先生や退官された最高裁判所の元裁判官の先生、その分野で毎回学会に呼ばれる神のような先生、派遣された検察官の先生等に学生の素朴な疑問をぶつけ、分かるまで、ずっと、時間の許す限り、丁寧に答えてもらえるのです。
しかも、先生方は学生が司法試験のことで頭がいっぱいだとご存じなので、必修以外の科目でもわざわざ司法試験や実務の世界で使えそうなことを選んで教えて下さいます。法律家としての広い裾野をもって合格後に活躍するための知識や考え方が学べるため、この時間が私は楽しくて仕方がありませんでした。実際に、必須科目以外の授業で学んだ内容も今の私の法律家としての目指す姿を形成しています。

ですので、この『余計』に思える勉強をすることは寧ろメリットであると考えます。

理由3:就活で不利になる?

予備試験は上記記載のように本当に優秀な人しか合格できない最強の試験です。ですので、いわゆる大手法律事務所が予備試験合格者をこぞって欲しがるのも無理はありません。

しかし、ロースクール経由でも大手に就職することも全く無理ではありません。ロースクールの校風にもよるかもしれませんが、大手が毎年じきじきに説明会を開いてくれる学校もあります。ですので、予備試験に受かることだけが正解で、ロースクールでの勉強は無駄という認識は必ずしもあてはまらないと考えます。

予備試験は猛者しか合格できない物凄い試験だと思っているので、予備試験に受かる事はとてつもなく素晴らしいことです。私の友人でも予備試験ルートで合格した方はたくさんいますし、そんな友人たちをとても尊敬しています。
でも、せっかくロースクールに入学したのに予備試験の事ばかりを考えてロースクールを嫌いになったり、内職ばかりしたりすることは少し勿体ない気がします。今からロースクールに入学をされる方、受験を考えていらっしゃる方は是非、ロースクールに偏見を持たずに充実した院生ライフを送ってほしいと思います。

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